- コラム
posted on 2016.12.2
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前回、「服装のマナー:基本編」の記事で、ゴルフ場のドレスコードにふれました。
そこで来場の際は「ジャケット着用」や、コース上では「上は襟付き(タートルネックやポロシャツ等)」とお伝えしました。
ですが、なぜゴルフはマナーについて厳しく言われるのか気になりませんか?
今回はマナーについて、ゴルフの歴史から簡単に見ていきましょう。
「英国紳士のスポーツ」というイメージはどこから?
発祥説は色々ありますが、ゴルフの原型は15世紀にスコットランドで誕生し、スコットランドの王家を中心に発展していきました。
スコットランド王家の家訓に、
「相手に敬意を払い、周囲に不快感を与えない服装こそ“作法”の第一と知るべし。」
「服装は我のために非ず、相手に対する衷心からの礼儀なり」※衷心…心の底
とあったそうです。
つまり、自己満足や自己表現として好きなものを身に着けた場合、同伴者や周りの競技者がどう感じるかという事が問題となるわけです。
この王家の家訓に従って、礼儀を重んじスーツにネクタイ姿でプレーするようになりました。
これが現在の、服装のマナーの原型となっております。
19世紀末になるとヨーロッパからアメリカへ
イギリス帝国の拡大で、世界各地に移住したことにより、移住先でもゴルフを楽しむようになり広がっていきました。
大西洋を渡って伝わったゴルフは、フロリダやカルフォルニアで多くのコースが建設され、アメリカのゴルファーは、最初は伝統に敬意を払って、スーツにネクタイ姿を守ってきました。
ですが、気候がスコットランドの西岸海洋性気候と全く違うため、徐々にスーツの上着が脱がれ、ネクタイが外され、ズボンの裾やシャツの袖も短くなっていきました。
しかし、少しずつ変化する服装にも最低限の規定が必要となりました。
そこで、ゴルフに対して畏敬の念を込め、1927年に全米ゴルフ協会は「襟だけは付けておきなさい」との服装規定を発表することになったのです。
アメリカのゴルファーがイギリスの競技会で活躍すると、ヨーロッパのゴルファーもいよいよスーツの上着を脱ぎ、ネクタイを外し、ニッカポッカとスタイルが変化していきました。
このように、新たな服装のスタイルが浸透していき、世界でも「Men must wear shirts with collars.」(男性は襟付きのシャツを着用しなければならない。)と規定が確立され、必要最小限のマナーとなりました。
おわりに
上記のように、時代や地域によってファッションなどは変化しますし、日本や世界各国で若干の違いがあります。
しかし、服装マナーの基本というのはほとんど変わりません。
それは服装マナーの本質が「他人への心配り」だからです。
この本質がわかっていれば、「ゴルフのマナーは色々あって大変だな。」と思う気持ちが少なからず解消されるのではないでしょうか。
ゴルフというのは、老若男女が一緒に楽しめるスポーツですから、相手を敬う気持ちを大切にし、見本となる紳士淑女でプレーしたいものですね。
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